お寺の事業

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 お葬式や年季仏事供養のときにお寺や僧侶に差し出すお金のことを、一般にお布施といいます。お布施には決まった値段がありません。なぜなら、お布施は本来、気持ちを表す宗教行為であり、値段を付けてはいけないからです。お寺の事業には宗教行為と収益事業があることを知っておきましょう。

お寺の事業

115-1 お守りや線香の購入は宗教行為!?

 お葬式や年季仏事供養のときにお寺や僧侶に差し出すお金のことを、一般にお布施といいます。お布施には決まった値段がありません。なぜなら、お布施は本来、信者の気持ちを表す宗教行為であり、値段を付けてはいけないからです。

 厳密にいうと、お寺はお布施に値段を付けても構いません。それをあえて値段を付けないでいるのは、お寺が宗教法人として非課税の恩恵を受けるためです。もし、お布施に値段を付けると、そのお金は課税の対象となり、税金がかかってしまうのです。

 お寺にとって信者からのお金が課税されるか、それとも非課税かは経済的には大きな問題です。宗教法人の収入に対し法人税が課税されるか非課税かは、個々の収入が宗教行為か収益事業かで判定されます。

 まず収益事業。宗教法人は、物品販売業、不動産販売業、不動産貸付業、出版業、飲食店業、旅館業など指定された34の事業を継続して行うと、その収益は課税の対象となります。たとえば、お守りやおみくじ。これらは一見すると物品販売業といえますが、販売で生じる利益が売買の利潤ではなく喜捨金(お寺への寄附)とみなされれば、それらの販売は収益事業とはなりません。

 お寺で販売されているものはほかにもたくさんあります。絵葉書、写真帳、暦、線香、ろうそく、供花、数珠、集院帳、硯墨、文鎮、メダル、楯、ペナント、キーホルダー、箸、陶器……、これらを一般に販売されている価格で販売すると、これらは収益事業となってしまい、課税の対象となります。うんとわかりやすくいえば、お札やお守りは非課税、ろうそくや線香は課税されます。ただし、「献灯」とか「奉納」と書かれたろうそくは、非課税となりますので、ややこしいですね。

 お寺の境内で、ろうそくや線香などの横に「ここに線香代を入れてください」と書かれた箱があるのを見つけたことはありませんか。なぜこうしているかというと、そうすることで信者が自発的にお布施を出したという形式を整えるためです。これでれっきとした非課税となるわけです。値段を定額表示してしまうと収益事業とみなされる可能性が高まってしまうのです。

 有名な寺院では、境内の入り口で拝観料を払います。拝んで観る、観覧する、つまり立派な宗教行為ですから、これは非課税です。

115-2 墓地や席貸し、宿泊施設、結婚施設の経営

 多くの寺院では、信者に対し墳墓を貸し付けています。貸し付けて収入を得ているわけですから、立派な収益事業と思いきや、これは収益事業には該当しません。最近は墓地の貸付を永代使用料の支払いとすることがありますが、これもまた収益事業ではありません。なんとか丸儲け、という俗語がありますが、まさにその言葉どおりです。

 大きな寺院では、本堂や講堂を開放しアーティストのライヴに使用することがあります。その周囲に折りたたみ椅子を置いて席料を取れば、これは立派な収益事業です。ただし、国や地方公共団体のための席貸しは収益事業とはなりません。

 旅館業を営む寺院もみられます。これは宿泊料金をどのような名目で受けたとしても収益事業となります。1泊2食付きで1,500円未満であれば収益事業とはみなされません。

 寺院がスペースを利用して駐車場を経営すると、駐車場業に該当し収益事業とみなされます。ただし、「境内駐車場」などと看板を挙げ、寺院の利用者のみに限定した駐車場であれば、収益事業とはみなされないことがあります。

 結婚式場はどうでしょうか。仏前結婚は宗教行為ですから当然、非課税です。ただし、挙式後の披露宴での飲食物の提供や衣装等の貸付は収益事業です。

 このように、寺院では収益事業か宗教行為か、細かい所で線引きをしています。宗教行為は基本的に定額表示されません。定額表示がなければ、お布施の金額は信者の気持ち次第。今回は、お寺の事業のウラ側をのぞいてみました。今度お寺に行く機会があったら、ぜひチェックしてみてください。

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