成年後見制度その1

成年後見制度その1

成年後見制度その1

認知症、知的障がい、精神障がいなどの理由で判断能力の不十分な人は、不動産や預貯金などの財産を管理したり、身の回りの世話のために介護などのサービスや施設への入所に関する契約を結んだり、遺産分割協議をしたりする必要があっても、これらのことを自分でするのが難しいときがあります。

成年後見制度その1

17-1 成年後見制度とは?

認知症、知的障がい、精神障がいなどの理由で判断能力の不十分な人は、不動産や預貯金などの財産を管理したり、身の回りの世話のために介護などのサービスや施設への入所に関する契約を結んだり、遺産分割協議をしたりする必要があっても、これらのことを自分でするのが難しいときがあります。

また、自分に不利益な契約であっても、よく判断ができずに契約を結んでしまい、悪質商法の被害に遭うおそれもあります。

このような判断能力の不十分な人を保護し、支援するのが成年後見制度です。

17-2 成年後見制度の種類

成年後見制度には、法定後見制度と任意後見制度(■17-7)の2つがあります。

法定後見制度は、さらに「後見」「保佐」「補助」の3つに分かれ、判断能力の程度など本人の事情に応じて制度を選ぶことができます。

法定後見制度では、家庭裁判所で選ばれた成年後見人等(成年後見人・保佐人・補助人)が、本人の利益を考えながら、本人を代理して契約などの法律行為をしたり、本人が自分で法律行為をするときに同意を与えたり、本人が同意を得ないでおこなった不利益な法律行為を後から取り消したりすることによって、本人を保護・支援します。

17-3 「後見」

精神上の障がい(認知症・知的障がい・精神障がいなど)により、判断能力が欠けているのが通常の状態にある人を保護・支援するための制度です。

「後見」制度を利用すると、家庭裁判所が選任した成年後見人が、本人の利益を考えながら、本人を代理して契約などの法律行為をしたり、本人または成年後見人が、本人がおこなった不利益な法律行為を後から取り消すことができます。

ただし、自己決定の尊重の観点から、食料品や衣料品等の日用品の購入など「日常生活に関する行為」については、取消しの対象になりません。

17-4「保佐」

精神上の障がい(認知症・知的障がい・精神障がいなど)により、判断能力が著しく不十分な人を保護・支援するための制度です。

「保佐」制度を利用すると、お金を借りたり、保証人となったり、不動産を売買するなど法律で定められた一定の行為について、家庭裁判所が選任した保佐人の同意を得ることが必要になります。保佐人の同意を得ない行為については、本人または保佐人が後から取り消すことができます。

ただし、自己決定の尊重の観点から、「日常生活に関する行為」については、保佐人の同意は必要なく、取消しの対象にもなりません。

また、家庭裁判所の審判によって、保佐人の同意権・取消権の範囲を広げたり、特定の法律行為について保佐人に代理権を与えることもできます。

17-5 「補助」

軽度の精神上の障がい(認知症・知的障がい・精神障がいなど)により、判断能力の不十分な人を保護・支援するための制度です。

「補助」制度を利用すると、家庭裁判所の審判によって、特定の法律行為について、家庭裁判所が選任した補助人に同意権・取消権や代理権を与えることができます。

ただし、自己決定の尊重の観点から、「日常生活に関する行為」については、補助人の同意は必要なく、取消しの対象にもなりません。

17-6 成年後見人に選ばれる人

成年後見人等には、本人のためにどのような保護・支援が必要かなどの事情に応じて、家庭裁判所が選任します。本人の親族以外にも、法律・福祉の専門家その他の第三者や、福祉関係の公益法人その他の法人が選ばれる場合があります。成年後見人等を複数選ぶことも可能です。

■17-7 任意後見制度とは?

■17-7 任意後見制度とは?

任意後見制度は、本人が十分な判断能力があるうちに、将来、判断能力が不十分な状態になった場合に備えて、あらかじめ自らが選んだ代理人(任意後見人)に,自分の生活、療養看護や財産管理に関する事務について代理権を与える契約(任意後見契約)を公証人の作成する公正証書で結んでおくものです。それにより、本人の判断能力が低下したあとに、任意後見人が、任意後見契約で決めた事務について、家庭裁判所が選任する「任意後見監督人」の監督のもと本人を代理して契約などをすることによって、本人の意思にしたがった適切な保護・支援をすることが可能になります。

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