市民葬とは、市や区などの地方自治体が市民葬委託葬儀社と共同して、経済的な負担の少ない葬儀を紹介してくれる制度です。

86-1 市民葬とは?
市民葬とは、市や区などの地方自治体が市民葬委託葬儀社と共同して、経済的な負担の少ない葬儀を紹介してくれる制度です。
市民葬はもともと、戦後間もなく人々がまだ経済的に豊かではなかった頃に、葬祭業協同組合が地方自治体に働きかけて格安な葬儀を行える制度を共同で作り発足した制度です。
一般的な葬儀と比較して割安な費用で葬儀を行えることが大きな特徴です。地方自治体では、利用1件につき1万円~4万円程度の資金補助を行っています。
市民葬を利用できるのは、亡くなった人もしくは喪主の人で地方自治体の居住者であることが条件となります。所得制限などは特にありません。
市役所の市民課などの窓口で死亡届、死体火葬許可証または死体埋葬許可証の写しを提出して市民葬の利用を申し込みます。または、地方自治体が指定している市民葬委託葬儀社に印鑑を持参して市民葬と指定して申し込みます。
葬儀は、仏式のほか無宗教、神祭葬、キリスト教式葬などにも対応している地方自治体もあります。
86-2 市民葬の仕様と費用
市民葬では、標準的な葬儀の仕様と料金を定めています。以下、市民葬の例を紹介しましょう。
◇埼玉県新座市の市民葬
祭壇及び葬具(3段飾り) | 78,000円 |
火葬(最上等)場所/戸田火葬場、多磨火葬場 | 6歳以上は64,000円、6歳未満は33,800円 |
霊柩車 | 宮型は28,700円、普通車は16,700円 |
合計 | |
6歳以上で霊柩車(宮型) | 170,700円 |
6歳以上で霊柩車(普通車) | 140,500円 |
6歳未満で霊柩車(宮型) | 158,700円 |
6歳未満で霊柩車(普通車) | 128,500円 |
◇東京都武蔵野市の市民葬
祭壇 | |
金襴5段 | 203,000円 |
金襴3段 | 123,000円 |
白布3段 | 92,500円 |
霊柩車 | |
指定車 | |
(10キロメートルまで)30,250円 | |
(20キロメートルまで)35,750円 | |
(30キロメートルまで)41,250円 | |
普通車 | |
(10キロメートルまで)14,160円 | |
(20キロメートルまで)17,760円 | |
(30キロメートルまで)21,360円 | |
火葬 | |
大人 | 火葬料(非課税):53,100円、容器代:10,900円 |
小人(7歳未満) | 火葬料(非課税):29,000円、容器代:4,800円 |
◇千葉県市原市の市民葬
葬儀料金 | 216,000円(消費税含む) |
(主な基本内容) | |
祭壇・焼香具一式/御棺・棺掛(棺布団・防水シーツを含む)/後飾り祭壇一式/位牌(内位牌)/遺影写真1枚/納骨容器一式/葬儀用印刷物等(50名分)/式場・休憩室使用料(24時間)/霊柩車(バン型使用距離10キロメートル) |
86-3 市民葬利用の注意点
格安な料金の市民葬ですが、ドライアイス、会葬礼状、葬祭業者の会場費、飲食費、宗教者への御礼、会葬者の送迎交通費用など、費用に含まれないものも多いため、実際の葬儀にかかる費用は市民葬委託葬儀社から見積もりを取り説明を受けるなどして、しっかりと確認してください。