相続に関する手続き

相続に関する手続き

人が亡くなるとその瞬間に相続が開始されます。相続により、亡くなった人の財産は家族などの残された人が承継しますが、その際に家庭裁判所で様々な手続きが必要になる場合があります。

相続は亡くなった瞬間に開始される

個人が亡くなると、その人が持っていた財産に関する権利や義務を、亡くなった人の配偶者や子などに引き継がせる制度のことを「相続」と呼んでいます。専門的には、故人のことを「被相続人」、財産に関する権利や義務を承継する人のことを「相続人」と言います。権利とはプラスの財産のこと、義務とはマイナスの財産(債務)のことです。
 相続は人が亡くなったその瞬間に、亡くなった人の住所地で開始します。以下で説明する相続に関する手続きは、その住所地を管轄する裁判所等で行うことになります。

相続における各種手続き

相続では普段は見慣れない様々な手続きが発生します。以下、主な手続きについて紹介しましょう。
(1)遺言検認申立書
 故人が生前に遺言書を作成していて、亡くなった後で相続人がその遺言書を発見したとき、相続人は速やかに遺言書を故人の最後の住所地の家庭裁判所に提出して、「検認」という手続きを行わなければいけません。検認とは、相続人に対して遺言の存在やその内容を知らせる手続きのことです。遺言書には財産を誰にどれだけ引き継がせるかといった、大変重要な事柄が書かれています。そのため、検認手続きは遺言書の形状や加除訂正の状態、日付、署名などの内容について、後から偽造や変造を防ぐ意味もあります。
(2)特別代理人選任申立書
 遺言書がない場合は、相続人が集まって遺産分割協議を行うことになります。相続人に未成年者がいる場合は、その未成年者に対して特別代理人を立てなければいけません。これは、相続人となる父または母と子の間で相続財産の引き継ぎについて利益が衝突することを防ぐために行われるものです。特別代理人は未成年者に代わって未成年者の利益を保護するために必要な制度です。
(3)失踪申告申立書
 相続が発生したとき、財産に関する権利や義務を引き継ぐ立場にある相続人のうちの一人が、全く音信不通で居場所もわからない、生死すらわからないといった行方不明の状態が7年間続いた場合、その相続人は失踪したものとする手続きを失踪申告申立書と言います。失踪申告が行われると、その人はたとえどこかで生きていたとしても亡くなったものとされます。
(4)推定相続人廃除の申立書
 被相続人が亡くなる前に、「この子にだけは財産を残したくない」という人に対し、相続権を失わせるために行う手続きです。推定相続人廃除の申立てを行っておかず亡くなると、財産を残したい相続人にも財産を引き継ぐ権利が残っていまいます。廃除とは、それを亡くなる前になくしてしまうことを言います。
(5)相続限定承認申述書
 被相続人の生前にプラスの財産とマイナスの財産があってその相続を行う場合、プラスの財産を限度にマイナスの財産も引き受ける手続きのことを限定承認と言います。限定承認の申述は、相続の開始があったことを知った時から3カ月以内に行わなければなりません。
(6)相続放棄申述書
 被相続人の権利や義務を一切引き継がないという意思表明を行うのが相続放棄の手続きです。相続放棄の申述は、相続の開始があったことを知った時から3カ月以内に行わなければなりません。
(7)遺産分割調停申立書
 遺産の分割について相続人の間で話し合いがつかない場合、家庭裁判所に遺産分割の調停を求めることができます。調停の手続きに入ると、裁判所は相続人の当事者双方から事情を聞いたり必要に応じて資料等を提出してもらったりしながら、当事者間でどのような分割がよいかの助言を行い、合意を目指していきます。
(8)遺産分割審判申立書
 遺産の分割について調停ではまとまらない場合に、審判手続が自動的に開始され、裁判官が一切の事情を考慮しながら遺産分割の審判を下します。
(9)遺留分放棄
 遺留分とは、相続人に保障されている遺産の一定の割合のことを言います。相続人は相続が開始する前に家庭裁判所の許可を得て、あらかじめ遺留分を放棄することができます。

 以上の手続きは、亡くなった人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所で行います。詳しくは、家庭裁判所に相談して確認してください。

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